エンドトキシン試験の概要

 エンドトキシンは,グラム陰性菌の細胞壁成分であるリポ多糖で,環境中のどこにでも存在する代表的
な発熱性物質(パイロジェン)です。エンドトキシンが血液中に入ると発熱やショックなどの作用が起こるこ
とから,医薬品や医療機器,特に生体内へ直接導入される注射剤においては,厳重な管理が必要となり
ます。

 カブトガニの血球成分がエンドトキシンにより凝固することを利用したのがエンドトキシン試験です。エン
トキシン試験
は,日本薬局方(JP),米国薬局方(USP)及び欧州薬局方(EP)に記載されていますが,
日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)において,合意文書にサインされた項目ですので,標準品及び
試薬が異なるものの,3薬局方において基本的な考え方や操作方法は同じになります。弊センターでは
いずれの方法でも受託可能です(ただし,EPの標準品及び試薬は入手不可のため,JPの標準品及び試
薬を使用します。)。

サンプル

 医薬品 / 医薬品原料 / 医療機器 / 水 その他,ご相談下さい。

測定方法

 ゲル化法 / カイネティック比濁法 / カイネティック比色法 

使用試薬

カブトガニ

 カブトガニ血球抽出物 J[和光純薬工業(株)]
 カブトガニ血球抽出物 HS-J[和光純薬工業(株)]
 カブトガニ血球抽出物 ES-Ⅱ[和光純薬工業(株)]
 Limulus Color KY Test Wako[和光純薬工業(株)]
 エンドスペシーES-50Mセット[生化学バイオビジネス(株)] など

使用機器

 ドライバス [ドライサーモユニット 型式:DTU-1B及びDTU-2B]
 トキシノメーター [型式:ET-6000 和光純薬工業(株)]
 ウェルリーダー [型式:MP-96 生化学工業(株)]など

サンプル量

 液体5 mL 粉体2 g 程度
 未開封品又はエンドトキシンフリーの容器に入れ,液体の場合は原則として冷蔵にて
 ご送付下さい。
 なお,乾熱滅菌済みのガラス製採水容器をお貸しすることも可能です。

料金(税抜き)

 ゲル化法 66,000円より。
 比濁法 / 比色法 122,000円より。
 ただし,複数検体を同時にご依頼いただいた場合は割安になります。
 予備検討や反応干渉因子試験の有無などにより,追加料金が発生します。 

納期

3週間~ (2週間で速報も可能です。)
成績書又は報告書にて提出させていただきます。

その他

規格値の設定から日常の品質管理試験までご相談ください。
試験方法の設定,納期,料金など,ご相談に応じます。
また,ウサギを用いた発熱性物質試験との比較検討試験も受託しております。

試験方法について

   試験の目的や検体の性状などにより,方法をお選び下さい。

   まず①ゲル化法,②比濁法,③比色法の中からお選びいただき,さらに,

   A:限度試験(規格値が決まっている場合など)

   B:反応干渉因子試験(ゲル化法では限度試験,比濁法/比色法では定量試験を同時に実施可能)

   C:定量試験(単にエンドトキシン量を知りたい場合など)   をご指定下さい。

     注) 比濁法/比色法には限度試験という設定がないため,
        限度試験の代わりに定量試験を実施します。

   【反応干渉因子試験の有無について】
       
試料溶液中に反応を促進や阻害する因子が含まれていないことを確認する試験です。
    予めそれらの因子がないことが分かっている場合や,既に実施している場合は省略できます。 

試験の特色について

 【ゲル化法】
 試料溶液とライセート試薬を一緒に試験管に入れ,37 ℃で60分間放置した時に,ゲル化するか
  しないか(固まるか固まらないか)を目視判定する試験です。測定に特別な機器を必要としません。
  試料溶液の濁りや着色による影響は殆どありませんが,定量には不向きのため,規格値を満たすか
  満たさないかといった出荷判定(品質管理試験)などに適しています。 

 【比濁法】
 エンドトキシンにより試薬がゲル化する過程(吸光度の増加)を,透過光量の変化(減少)として測定し,
 この透過光量があらかじめ設定した濁度に達するまでの反応時間(ゲル化時間)とエンドトキシン濃度
  の関係から,エンドトキシンを定量する方法です。専用の測定機器を用いて,標準品から作成された
  検量線をもとにエンドトキシン量を測定するため,定量性に優れていますが,試料溶液に濁りがある
  場合は正確に測定できないことがあります。

 【比色法】
 エンドトキシンと試薬の反応に伴って生じる色素による吸光度の増加を,透過光量の変化(減少)とし
  て測定し,この透過光量があらかじめ設定した透過率に達するまでの反応時間(活性化時間)とエンド
  トキシン濃度の関係から,エンドトキシンを定量する方法です。専用の測定機器を用いて,標準品から
  作成された検量線をもとにエンドトキシン量を測定するため,定量性に優れていますが,試料溶液が
  着色(特に黄色)している場合は正確に測定できないことがあります。

 

ドライバス.JPG     トキシノメーター.JPG

        ドライバス[型式:DTU-2B]             トキシノメーター [型式:ET-6000]