有害物質
化学物質の中には過去にその利便性から工業的に多量に使用され,現在では安全性の問題から使用を禁止または抑制されているものがあります。また,近年では加工食品の加熱加工など,食品製造工程中に意図せず生成するような有害物質も注目されています。
残留溶媒
食品等を製造する過程において,成分の抽出等に有機溶媒が使用されることがあります。ほとんどの溶媒は最終食品の完成前に除去しなくてはならず,食品またはその中間製品中の残留溶媒量の把握が重要と考えられます。
弊財団では,これら多くの有害物質及び残留溶媒について,分析試験を承っております。
有害物質・残留溶媒 (抜粋)
| 試験項目 | 料金(円) | 試験項目 | 料金(円) |
|---|---|---|---|
| PCB | 23,000より | 残留溶媒 (アセトン,酢酸エチル,ヘキサン等) | 各項目12,000より |
| メチル水銀 | 20,000 | 3,4-ベンゾピレン [ベンゾ(a)ピレン] | 70,000 |
| エチル水銀 | 20,000 | 3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD) | 20,000より |
| トリブチルスズ化合物 | 35,000 | ||
| トリフェニルスズ化合物 | 35,000 | ジクロロプロパノール類(DCP) (1,3-ジクロロ-2-プロパノール ・ 2,3-ジクロロ-1-プロパノール) |
30,000より |
| フタル酸エステル類 | 22,000より | ||
| ノニルフェノール | 30,000 | 2,4,6-トリクロロフェノール (TCP) |
20,000 |
| ビスフェノールA 〔食品,飲料水〕 |
30,000 | ||
| アクリルアミド | 30,000 | 2,4,6-トリクロロアニソール (TCA) |
20,000より |
| フラン | 30,000 | ||
| メラミン | 30,000 | ダイオキシン類 | 180,000より |
検体種及び定量下限により料金が変わる場合がございます。
PCB
PCBは変圧器やコンデンサの絶縁油,熱媒体,塗料,可塑剤,ノンカーボン紙等工業的に幅広く使用されていましたが,北九州を中心にして発生した「カネミ油症」の原因物質としてその毒性が知られ,1972年に生産が中止されました。1974年には化審法の第1種特定化学物質に指定され使用や廃棄が厳しく規制されていますが,それまでに生産・使用された量は非常に多く,現在でも環境中に広い範囲での汚染が認められています。
弊財団では,食品をはじめ容器包装,環境試料等多くの様々な検体について,ガスクロマトグラフ法(ECD)での分析を受託しております。
メチル水銀・エチル水銀
メチル水銀は非常に強い中枢毒性を持ち,水俣病の原因物質として有名な化合物です。海産の魚介類には高濃度で含有しているものがあり,暫定的規制値(水銀として0.3ppm)や妊婦に対して「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」が出されています。
弊財団では,ガスクロマトグラフ法(ECD)による食品の分析を受託しております。また,産業廃棄物や排水の基準に係るアルキル水銀化合物の分析も受託しております。
トリブチルスズ化合物・トリフェニルスズ化合物
トリブチルスズは魚網防汚剤,船底塗料や農薬(殺菌剤)として使用されていました。しかし,環境ホルモン作用が指摘されており,難分解性が認められたことから,高い濃縮性がある酸化トリブチルスズ(TBTO)は化審法の第1種特定化学物質に,その他13種のトリブチルスズ化合物,7種のトリフェニルスズ化合物は第2種特定化学物質に指定されています。
弊財団では,食品や環境試料についてガスクロマトグラフ-質量分析法によるトリブチルスズ化合物・トリフェニルスズ化合物の分析を受託しております。
フタル酸エステル類
フタル酸エステルは,ポリ塩化ビニルなどの可塑剤として広く使用されている物質で,物質としてはフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)やフタル酸ジイソノニル(DINP)などがあります。日本ではポリ塩化ビニル製の器具又は容器包装及びおもちゃ又はその原材料での規格が制定されています。
また,食品についてはフタル酸エステルの混入や,容器包装などからの汚染も懸念されるところです。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析法による容器包装及び食品中のフタル酸エステル類分析を受託しております。
ノニルフェノール
98年に環境省が公表した「環境ホルモン戦略計画SPEED’98」において,環境ホルモン(内分泌かく乱)作用の疑いがある物質としてリストアップされた67物質の内のひとつです。
非イオン界面活性剤(洗剤)であるノニルフェノールエトキシレート(NPEO)の原料,合成樹脂に使用されるリン酸エステル系の酸化防止剤の原料,ポリ塩化ビニルの安定剤等に使用されます。
弊財団では液体クロマトグラフ-質量分析法により,食品中又は合成樹脂中のノニルフェノール分析を受託しております。
ビスフェノールA
ビスフェノールAはエストロゲン作用を有し,内分泌攪乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)としての作用が懸念されている化学物質で,ポリカーボネート製の器具や容器,食品缶詰や飲料缶などの内面のエポキシ樹脂による防蝕塗装から食品等へと移行します。弊財団では液体クロマトグラフ-質量分析法による食品や飲料水中のビスフェノールA分析を受託しております。
アクリルアミド
食品の加工時に生成される有害化学物質のひとつで,国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類では,ヒトに対しておそらく発がん性のあるグループ2Aに分類されています。食品原料中のアスパラギンと還元糖が,揚げ・焼き・焙煎などの調理中に高温にさらされるとによって化学反応(アミノカルボニル反応)を起こす過程で生成すると考えられています。これまでの調査からポテチチップス,ビスケット等の菓子類やコーヒー,ほうじ茶,麦茶などにも含有されていることがわかっています。
コーデックス委員会でも食品中のアクリルアミド低減のための実施規範が2009年に採択されました。 日本においても,食品に含まれているアクリルアミドの低減が必要と考えられています。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析法による食品中のアクリルアミド分析を受託しております。
フラン
食品の加工時に生成される有害化学物質のひとつで,2004年にFDAが缶詰,瓶詰など熱処理した食品中に含有することを公表しました。フラン生成には多くの化学的要因が示唆されており,糖,アスコルビン酸,不飽和脂肪酸の加熱も要因として挙げられています。これまでの調査からコーヒー,しょうゆ,ベビーフード,缶・瓶・レトルトパウチ入りの加工食品など様々な加工食品に含有されることがわかっています。
コーデックス委員会でも,フラン低減のための実施規範策定を目指しています。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析計を用いたヘッドスペース法による食品中のフラン分析を受託しております。
残留溶媒
食品及び食品添加物などを製造する際に使用される有機溶媒について,製品及び中間製品に残留していないかを確認するため,様々な物質を分析しています。
弊財団ではメタノール,エタノールなどアルコール類,n-ヘキサン,アセトン,酢酸エチルをはじめ多くの有機溶媒について,ガスクロマトグラフ法やガスクロマトグラフ-質量分析法での分析を受託しております。
3,4-ベンゾピレン[ベンゾ(a)ピレン]
タバコの煙や排ガスといった有機化合物の燃焼ガスに含まれ,遺伝毒性及び発がん性が懸念される多環芳香族炭化水素(PAHs)の一種で,特に発がん性が高いとされる汚染物質です。国際がん研究機関(IARC)の発がん性分類では,ヒトに対して発がん性のあるグループ1に分類されています。
食品では,畜肉類や魚介類などの燻製製品や直火調理した食品中に極微量含有される可能性があります。日本の食品衛生法に基づく食品中の基準値は設定されていませんが,欧州など諸外国では食品中のPAHs基準が設定され,比較的関心が高い物質です。
弊財団では食品中の3,4-ベンゾピレンについて,高速液体クロマトグラフ法での分析を受託しております。
3-クロロ-1,2-プロパンジオール/ジクロロプロパノール類
食品の加工時に生成される有害化学物質のひとつで,1970年代にしょうゆなど調味料に使われる酸加水分解植物性たん白質(アミノ酸液)に含まれることがわかりました。
但し,日本で生産されるしょうゆの大半はアミノ酸液を使用しない本醸造方式で製造されたもので,その製品中にはこれらの物質はほとんど含まれていません。
これらの物質は塩酸による植物性たん白質の加水分解時に,残存する植物性油脂と塩酸が反応して生成し,アミノ酸液中に含有することが知られています。
また,アミノ酸液を使用しない食品にもこれらの物質が含有することもわかっており,生成原因は他にもあると考えられています。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析法による食品中の3-クロロ-1,2-プロパンジオール(3-MCPD),1,3-ジクロロ-2-プロパノール(1,3-DCP)及び2,3-ジクロロ-1-プロパノール(2,3-DCP)分析を受託しております。
2,4,6-トリクロロフェノール/2,4,6-トリクロロアニソール
2,4,6-トリクロロフェノール(TCP)は1960年代から木材用の防黴剤として広く使用されている物質です。このTCPはある種のカビによって水酸基がメチル化され,2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)が生成されます。この2,4,6-TCAは極めて強いカビ臭を放つ物質で,その官能閾値は非常に低く,しばしば食品などの異臭原因物質となります。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析法による2,4,6-TCP及び2,4,6-TCAの分析を受託しております。
ダイオキシン類
ダイオキシン類とは平成11年7月16日に交付されたダイオキシン類対策特別措置法により,ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD),ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCBまたはダイオキシン様PCB)と定義されています。これらの中で毒性の強い29化合物(PCDD 7種,PCDF 10種,コプラナーPCB 12種)について,最も毒性の強い2,3,7,8-TetraCDDの毒性を1としたときの毒性の強さを換算する係数(TEF)を使って,すべての毒性を合計した値をダイオキシン類濃度(TEQ)としています。[TEQ=∑(各化合物の濃度×各化合物のTEF)]
ダイオキシン類の発生源はごみ焼却等の燃焼過程や農薬や染料の不純物等で,非意図的に生成されます。ダイオキシン類対策特別措置法施行以降,発生源対策が進みダイオキシン類の排出は抑制されてきましたが,未だ環境中に汚染が広く認められていて人への健康影響や環境影響が懸念されています。
弊財団では,食品や飼料中の極微量分析や農薬の登録申請にかかる検査についてガスクロマトグラフ-高分解能質量分析法による分析を受託しております。
詳しくはこちら(JFRLニュース)
メラミン
通常はメラミン樹脂原料として使用されるものですが,2008年中国において見かけのたんぱく質量を上げるため,粉ミルクなど乳製品や乾燥卵に意図的に添加された社会的事件が発生しました。中国では該当する粉ミルクを摂取した乳児に腎臓障害が発生するなど,極めて深刻な社会的事件となりました。日本でもこれらを原料に使用した加工食品からメラミンが検出され,当該製品が自主回収される事態が発生しました。
また,2007年には中国産のペットフードや飼料原料にもメラミンが添加され,米国で被害が生じました。
弊財団ではガスクロマトグラフ-質量分析法又は液体クロマトグラフ-質量分析法による飼料,ペットフード及び食品中のメラミンの分析を受託しております。